
辞めたあと引っ越ししたら
新しい住所を伝えないといけないの?
結論、今の住所か実家の住所を伝えればOKです。
退職したあとは、「バッサリ元会社の方とは関係を切りたい」ということありますよね。
私も、そうでした。できることなら、退職後の新住所は教えたくない!と考えていました。
退職願を提出するときは、新住所を記入する欄があるはず。この新住所の項目に、素直に新しい住所を書こうか悩んでしまう方がいるかもしれません。
本記事では、新しい住所を伝える理由と合わせて、退職前に会社に黙って住所変更していた時のリスクについて解説していきます。
大手企業の人事部で約15年間事務手続きをしています。
月間約50名の退職者の事務手続きを担当しているので、退職に関する手続きについては詳しいです。
この記事では、たくさんの退職願と退職の手続きを行っている人事部で働く私が、退職後の新住所をどのように扱っているかを、具体的な書類や手順をふまえて解説していきます。
また、退職を決意したところから退職後の手続きについて、一連の流れをまとめています。手続きの流れを知りたい方は、下記の記事を参考にしてみてくださいね。
>>人事部がまとめた!めんどくさい退職手続きを一挙解説!
新住所を会社に教えるリスクはあるの?

新しい住所を教えると、何か自分に不利益なことがあるのでしょうか。
結論、不利益になることはありません。
なぜなら、会社は退職後の書類を自宅に送らないといけないから。

でも、新住所を教えたくないな。
そんな人は、新住所を書かなくても大丈夫。その代わりに、郵便局で転送届を届け出てください。
なぜなら、会社が送る書類が退職者の手元に届けば良いだけだからです。

転送届の手続き方法は、
このあとの段落で解説していきますね。
新住所を教えたくないときは「今の住所」か「実家の住所」

冒頭でお伝えした通りあくまで書類を送るために会社は知りたがっています。
どうしても書きたくない場合は、「今の住所」または「実家の住所」でOKですよ。
今の住所を書くときは?

今の住所を書いて引っ越したらすぐに郵便局に行って、転送届を出しましょう。
転送届とは、旧住所に郵便物が届いたら、新しい住所に転送してくれるサービスです。
この手続きをやっておけば、大事な書類がしっかりと届きますし、退職先の会社に住所が知られることはありません。
転送届の有効期限
転送届は、届け出日から1年間転送してくれます。
1年たってからもまだ住所を明かしたくない場合は、転送届を更新することができます。
ちなみに、転送期間が終了した場合は、差出人である退職先に書類が返ってくることになります。
転送届を書くときに必要な書類
個人の転居として届け出を行うときには、以下の書類が必要になります。
- 本人を確認できるもの(運転免許証、健康保険証など)
- 旧住所を確認できるもの(運転免許証、パスポート、個人番号カード、住民票など)

転送届に関する詳細は、下記の郵便局のリンクから参考にしてみてくださいね。
実家の住所を書く
書く住所に困ったら、実家の住所でも問題ありません。
宛先不明だと会社は「何とかして送ろう」とするので、お互いに面倒なことになりますよ。

確実に書類が届く住所を、会社に申告してくださいね。
会社から送られる書類は、この後の転職先に提出が必要な書類も送られます。
どんな書類が送られるのか知りたい方は、この後の記事をご覧ください。
退職後の住所にどんな書類が届くの?


どんな書類が会社から送られるの?
脅しの文書が入ってくることなんてありませんので安心してください。
自宅に届く書類は、これからの退職後の生活にとても大事な書類なんです。
- 離職票
- 社会保険喪失証明書
- 源泉徴収票
一つ一つ紹介していきましょう。
離職票
離職票とは、いわゆる失業給付を申請するための書類です。
失業給付の申請をするためには、届いた離職票をもって、最寄りのハローワークに手続きすることから始まります。この離職票とは、あなたが勤めていた会社名や離職日、アナタの直近の給与の情報が記載されています。この書類をハローワークが確認することで、アナタの失業給付はいくらもらえるかを計算します。
失業保険のもらい方については、こちらの記事で解説しています。是非参考にしてみてくださいね。
>>【2023年最新】失業保険ってどうやってもらうの?【人事部目線で解説】
社会保険喪失証明書
社会保険喪失証明書とは、アナタが健康保険・厚生年金の加入から脱退した証明書です。
この書類がなければ、退職後の保険証の切り替えや年金の手続きが滞ってしまいます。
しばらく無職で、保険証の切り替えをするときは市区役所に行くのが一般的ですが、この証明書がなければ手続きがスムーズに終わりません。
源泉徴収票
源泉徴収票とは、退職前の会社でどのくらいの給与をもらっていたか、どのくらい税金を納めていたかを証明する大事な書類です。
この書類は、転職先の会社に提出しなければいけません。
なぜなら、転職先に提出することで年末調整をするからです。

意外と失くしがちな人が多いので、注意してください。
この後は、在職中に住所を変更していた時のリスクについて解説しますね。
在籍中に引っ越ししたまま言わなかったときの重大なリスク

退職する前に引っ越しても、必ず新しい住所は会社に届けましょう。
会社のルール違反や、通勤手当の誤支給となる可能性があるからです。
会社のルール違反になる?
たいていの会社には就業規則が存在します。就業規則とは、法律で認められている会社のルールブックのこと。
このルールが正しく周知されていて、従業員がルールを守られていなければ、会社はその従業員を罰することができます。
たいていの会社は、「従業員は会社に住所を届けなければならない」といったルールがあるのがほとんどです。そのため、正しく届けられていなければ、大変なことになることが考えられるでしょう。
通勤手当の誤支給になる
誤った通勤手当を会社が支払うことになってしまい、退職後に返還しなければいけなることがあるかもしれません。
わが社では、本人の未申告があった場合は、過払いとなってしまった通勤手当はさかのぼって請求します。
このようなお金の問題も発生してしまうため、内緒で住所変更することはやめましょう。

退職時に約10万円の返金をした社員もいました。
退職月のお給料は、税金や過払いの調整によって少なくなる方もいます。
ただでさえ通勤手当の返金でマイナスとなると、退職後の生活にも大きく影響します。そのため、適正に申告するようにしましょう。
>>【現役人事部が解説】退職月のお給料が少ない理由は?【保険料が倍?】
結論)会社はとにかく書類が届けばいい【転送届も可】


新住所を書くのはそんなに構えなくていいんだね。

ありのままの新住所を書けば問題ないんだよ。
退職後に引っ越しを考えている方は、心配せずに新しい住所を書いても問題ありません。
また、上記の書類が送られるタイミングは退職してから2か月の間には送られるものです。引っ越しのタイミングがまだ決まっていない場合は、「今の住所」か「実家」の住所を記載しておけば、問題ありません。
- 新住所を書きたくないなら転送届を出す。
- 退職後の大事な書類の送り先を伝えるため。
- 在籍中に引っ越してしまい、住所を言わないのはNG。
